90sJPOP文化論

~90年代に10代だったオトナたちへ 90sJPOPを音楽的側面と言うよりもむしろ、時代・文化的な側面から雑考するブログです。

【#003 愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない / B’z (93年)】 の考察

太陽のKomachi Angel以降7作連続でオリコン1位を記録し、
不動の地位を確立していたB’zの12枚目のシングル。モッくんと宮沢りえが主演したドラマ西遊記の主題歌でもあった。
この曲が、当時の10代にどのように映ったのかを考察してみたい。

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<長すぎるタイトル全盛期>

いやぁ、長過ぎでしょ、流石に。

 

源氏物語の冒頭のような気配すら感じるこの長さ。
愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす・・・的に繋がっても違和感のないレベルである。

 

Wikipediaによると
CDのデザインが、B’zとしては初めての横向きデザインのジャケットということだが、
その大半の理由がこの長い曲名にある気がするのは私だけではないだろう。

 

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(縦じゃタイトル入らないですもんね)

 

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【#002 DEPARTURES / globe (96年)】 の考察

小室哲哉が自ら参加したユニット、globeの4枚目のシングルにして初のバラード曲。
91年より始まったキャンペーン、「JR ski ski」に4年間にわたるZOOから引き継いで使用された爆発的ヒット曲。
この曲が、当時の10代にどのように映ったのかを考察してみたい。

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小室哲哉、年間チャートへの布石>

trfを大成功に収め、

篠原涼子、hitomi、浜ちゃん、華原朋美内田有紀と次々幅を広げて行きながら

稀代のヒットプロデューサーとなった小室哲哉

globeの登場はまさに脂の乗り切った彼が自ら参加する「大本命ユニット」のデビューだった。

 

それは、

誰にでもバラエティー豊かにヒット曲を書いてきた小室哲哉にとって、

他のアーティストと音楽性をすみ分けながら

ひとつの音楽性でglobeらしさを構築しヒットを捕まえにいくという難易度の高い挑戦である(ように思われた)。

 

デビュー(95年)して

8月「Feel Like dance」、9月「Joy to the love」、11月「SWEET PAIN」。

休む暇なくリリースしていくことでTMN時代から進化したglobeサウンドアイデンティティを定着させていきながら翌年、

ダンスサウンドとは一線を画する渾身のバラードをリリースする。

 

それがこの曲、DEPARTURESである。

 

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【#001 ラブストーリーは突然に / 小田和正 (91年)】 の考察

「カーンチ、セックスしよ」で一世を風靡しその後の月9神話を作り上げる先駆けとなるドラマ、

東京ラブストーリー(脚本 坂元裕二)」に使用されドラマとともに大ヒットとなった、言わずと知れた、名曲である。

この曲が、当時の10代にどのように映ったのかを考察してみたい。

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<すべては、てけててーん♪で動き出す>

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まず、てけててーん♪である。
当時日本で一番流れたであろうこのイントロ。
それは音楽の始まりという機能だけではなく、
ドラマタイアップにおける楽曲の出だしのあり方を決定づけたと言っても過言ではないと思う。

それは映画撮影における監督の「Action!」のように、
100m選手におけるスターターの号砲のように、
トレンディードラマを、よりトレンディーでよりドラマティックに加速させるのだ。

・カンチがひと言セリフを言って、てけててーん♪
・リカが、振り向いて、てけててーん♪
・走り出して、てけててーん♪
・抱き合って、てけててーん♪
・ロン毛の遊び人が現れて、てけててーん♪*1

さらにそれはトレンディードラマ憧れ層の10代にも同様に作用する。

・隣のクラスの奴が告白して、てけててーん♪
・廊下を走って、てけててーん♪
帰りの会で、てけててーん♪

・・・そう。
このイントロは全ての人々を物語の主人公化する。

物語は、てけててーん♪で動き出すのだ。 

 

*1:実際の使用シーンは未確認。

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